よくある質問にお答えします | お人形の隆和堂
  • 友だち追加
  • 新潟店店舗案内
  • 長岡店店舗案内
  • 三条工場店店舗案内
  • 五月人形チラシ

よくある質問

雛人形や五月飾りを飾る時期/しまう時期はいつ頃がいいのですか?
雛人形は早い方ですと1月の中旬過ぎ頃や立春過ぎ頃から飾られます。また、良縁に恵まれるという雨水の日(毎年2/18前後)に飾るのもお勧めです。
『片付けが遅いと婚期が…』というのは迷信ですが、節目という本来の意味合いからあまり長々と飾っているのも季節感に欠けます。
湿気はシミやカビの原因になるお人形の大敵です。お天気の良い日が続く日を選んで、旧節句が過ぎる頃には片付けることをお勧めします。
五月飾りは飾る時期/しまう時期に詳しい決まりごとはありませんが、春のお彼岸あたりから4月中旬に飾る方が多いようです。
しまう時期に関しては雛人形同様に五月飾りも湿気対策としてお天気の良い日が続いた日を選んで片付けてください。
鯉のぼりは埃を落として、色移りを避けるためよく乾かしてからお片付けをお願いします。
片付ける場所と防虫剤の有無はどうしたらいいですか?
家の中の湿度のなるべく無い所で、出来るだけ高所箇所をお進めします。
『場所をとるから…』と押し入れの下段や、納戸に片づけておられる方がいらっしゃいますが湿気の多い環境ではほんの数ヶ月で一気に傷む恐れがあります。
やむ負えない場合は除湿器の設置や容量の大きめの除湿剤をご利用いただいたり、換気などの対策をお願いします。

なお、化学変化によりシミや変色を引き起こす可能性があるため、保存剤は毎年必ず同じものを1種類のみでお使いください。
雛人形には、直接保存剤がふれないよう箱の中にいれて頂きます。お顔には必ず柔らかい紙を当てて、出し入れの際には必ず手袋をして直接手で触れぬようご注意下さい。
五月飾りは、金属を沢山使っているため防虫剤などの使用はお勧めしていません。

不要になったお雛様や五月飾りはどうしたらいいですか?
人形供養へ出される事をお勧めしています。

何らかの宗教やオカルト的な観点ではなく、お雛様や五月飾りが赤ちゃんの身代わり・厄除けとして贈られるものであり、健やかな成長を願って贈った方がお人形へ託した想いを粗末にしないという心情から、人形供養という形を以てお別れをしていただくのがよいのではないかと思います。
弊社では独自の人形供養を催行していないため、日本人形協会の人形供養サービスなどをご案内しております。

また、全く気になされないのであればお住まいの自治体のゴミ分別に沿って廃棄していただくことが可能です。

購入者は母方、父方どちらがいいのですか?
ご両家の地域性や家庭の事情もあるのでケースバイケースという他なく…。
昔は雛人形は嫁入り道具として嫁ぎ先へ持参したものでした。そのため、今でも母方の実家から贈る事が多いようです。
また、五月飾りは昔は内飾り(五月人形)と外飾り(こいのぼりと幟旗)の両方を用意することが多かったため、父方で内飾りを買ったら外飾りは母方で…と分担して贈る事が多かったようです。
なお、地域的な習慣としては、東日本は女の子が生まれた場合は母方・男の子が生まれた場合は家の跡継ぎとして父方が買うことが多く、西日本では生まれた子の性別を問わず嫁ぎ元となる母方実家が購入することが一般的とのことです(※ ご両家が同じ市内でも、かつての藩や村で違う習慣の場合も多々見受けられます)
可愛い赤ちゃんの為にと両家で折半されたり、例えば節句のお飾りは母方・宴席は父方でなどとお話し合いをされるご家族が増えているように感じます。
その時の売れ筋は決まっていますか?
お顔立ちや着物の色味などはファッションと一緒で、やはりその年のトレンドはお雛様にも見受けられます。しかし、赤ちゃんの一生のお守りとなるため長い目で見たときに古来からの定番に近いスタイルが飽きがないので落ち着くかと思います…という説明をお客様には申し上げています。
五月飾りは大河ドラマなどの影響で特定の武将に関するお問合せが多い年も稀にありますが、ご当地の武将かオーソドックスな大将兜が好まれる傾向が強いです。こいのぼりは住宅事情の変化によって大型商品よりも水袋で重しをするスタンド型が顕著な主流に変わりました。
お雛さま・五月飾りを飾るのに、良い方位はありますか?
お雛様や五月飾りは、それ自身が災厄除けのお守り。すべての方位の災厄を除けてくれます。
しばしば「お雛様は南向きか東向きかに飾らないといけないのですか?」と質問されますが、お雛様も五月飾りもそれ自身が災厄除けのシンボルです。
赤ちゃんのお守りとなってくれるもので、すべての方位除けの意味合いも持っています。よって、飾る際に神経質に方位を気にする必要性はありません。
お雛さまや五月飾りを買う日・届く日はあまり日柄を気にせずに届いた後でよい日を選んで封を切ればいいと聞きましたが、それでいいのですか?
購入日や配送日より、封を切る日や飾る日が大切です。気になる場合は縁起の良い日や時間帯を参考にしてください。

今はいつも誰かが家にいるというわけではないので、配送の受取日は土日がほとんどです。必ず大安でないとダメというと大変ですね。
ただ、せっかくの赤ちゃんのお祝いの品物ですから縁起を担いだ方が気分的に良いかと思います。
また縁起の良い日は忙しくて飾れないというような場合は、縁起の良い日や時間帯に封を切って箱だけ開け、別の日に飾りつけると良いでしょう。
大安以外にも一日の中に吉とされる時間帯がたくさんありますので、時間帯を選んで飾り付けを始めていただくとよいと思います。 お日柄と時間帯については、以下を参考にしてください。

大安・・一日中、吉
友引・・朝夕は、吉
先勝・・午前中は吉、昼以降は安静が吉
先負・・午前中は安静が吉、午後から吉
赤口・・正午ごろ、吉
仏滅・・一日中、安静が吉

お母さんのお雛様で、赤ちゃんの初節句。あるいはお姉ちゃんのお雛様で妹の初節句のお祝いってOK?
雛様の由来は、形代(かたしろ)。本来、ひとりに一つのお守りです。
お雛様は元来、上巳の節句に紙で作った人形(ひとがた)の形代で体を撫で、自分の身の穢れを移し川に流した、厄払いの行事に由来しています。
そのためお雛様そのものは、家を守ったり、その家の女性すべてを守るものではなく、女の子一人一人、それぞれのお守りです。ママのお雛様はママのお守り。姉妹のお姉ちゃんのお雛様はお姉ちゃんのお守りです。娘一人に一つずつ用意し、お嫁入りする時に持たせてあげるものとされていた背景からも出来れば姉妹間には差をつけずに用意してさしあげたいものです。
しかし「家が狭くて二つは…」などの事情がある場合、今あるお雛様が衣装着なら、もう一つは木目込やケース入りにするのはいかがでしょうか?小さいお雛様も各種ご用意ございます。
何なりとご相談ください。
お父さんの五月飾りで、赤ちゃんの初節句。あるいはお兄ちゃんの五月飾りで弟の初節句のお祝いってOK?
端午の節句に鎧や兜を飾るのは、子どもの安全や無病息災などの願いを込める風習です。
武家社会の風習では神社やお寺へ合戦の前に身の安全や家門の盛栄を祈る際に鎧や兜を奉納していました。武将にとって兜や鎧は自分の身を守る防具であり、家のシンボルを表す大切な道具でもあったのです。
その個々人の大切な鎧兜を風に当てて手入れをして飾ったことが由来となり、後に泰平の世へと変わっていくなかで鎧兜の「身体を守るもの」という意味が重視され、病や怪我などから大切な子供を守ってくれるようにという無病息災を願うようになりました。
鎧兜は個人毎の所有物であり、男の子一人一人にそれぞれのお守りとされます。パパのはパパの、兄弟のお兄ちゃんの鎧兜はお兄ちゃんのお守りです。
「鎧兜が二つはちょっと…」と思われる場合は小さな収納飾りや可愛い大将人形はいかがでしょうか?ご相談いただければ一緒に悩ませていただきます!
今住んでいる地方では4月に女の子の初節句をするそうです。4月でもいいのですか?
旧暦の桃の節句は、4月3日。
現在の暦の3月3日は、旧暦では2月3日にあたります。古来の風習を守って、旧暦の3月3日(現在の暦では4月3日頃)にお祝いする地方も多々あり、「月遅れの雛祭り」といいます。
有名なのは、庄内地方の雛祭り。また京都や歴史ある家柄の末裔のお家では、古くからの慣習を守り、旧暦で雛祭りを行うことも多いようです。かの冷泉院の末裔 冷泉家も旧暦で雛祭りを行っているそうです。
3月はまだ冷えますし、お母さんや赤ちゃんの体調や色々な都合で3月3日に初節句のお祝いが難しい場合は無理をせずともよいと思います。
古式に習って旧節句でお祝いするのも素敵ですよ。大切なお雛様もゆっくり飾っておくこともできて楽しみが長く続きます。
『お出迎え市松』『羽子板・破魔弓』とはなんですか?
お出迎え市松とは、お雛様をお迎えする人形のことです。
お雛様を母方の実家から贈られた際に、父方の実家が先にお雛様をお迎えする市松人形を用意するという習慣のある地方があります。雛祭りに父方のおじいちゃん、おばあちゃんから贈り物として記念になるということで人気があります。 市松人形もお雛様と同様、形代の役目をすると昔から言われています。市松人形を初節句の赤ちゃんのために用意し、今あるお雛様と並べて飾って初節句のお祝いをしても良いでしょう。
羽子板・破魔弓は赤ちゃんが生まれて初めてのお正月を迎える「初正月」のお祝いとして贈る地方があり、邪気を撥ね退けて無事に成長するように願うためのお飾りです。
どちらも新潟県内ではあまり根付いていない風習ですが、「飾ると華やかなので欲しい」「嫁ぎ先の方の風習で…」と年に数件はお問合せを頂戴します。カタログから選んでいただく形で弊社でもお取り扱いございます。
女の子の初節句のお祝い会のお料理、何を用意すればいい?
雛祭りは一般的には、蛤の潮汁、ちらし寿司、雛あられ、白酒ですが、その他のアレンジもOK。
菱餅・・和菓子屋さんに早めに予約を。
白酒・・最近はスーパーなどにもありますが、甘酒で代用してもいいようです。
・・・春告げ魚である鰆や鰊、お祝い定番の鯛など
煮染め・・昆布巻きにしん。くわい(芽が出る)
和え物・・菜の花の胡麻和えなど
寿司・・雛ちらし(桜でんぶや錦糸卵などで彩り鮮やかに)
・・・はまぐりの潮汁
お菓子・・雛あられ

雛祭りにカレイを食べるという地域もあります。定番料理にとらわれず、ご家庭ごとで楽しいお祝いをお迎えください。
赤ちゃんも離乳食が始まっているなら可愛いレシピがレシピサイトに沢山載っているので思い出作りにいかがでしょうか。

男の子の初節句のお祝い会のお料理、何を用意すればいい?
端午の節句といえば「柏餅」や「粽」。これという定番料理は無いようですが、縁起を担いだ一例として…
柏餅・粽・・和菓子屋さんに早めに予約を。
・・・鯛の尾頭付きや出世魚の鰤や鱸。「人生がうなぎ上りに」と鰻を用意する地方もあるそうです。
煮染め・・若竹煮や土佐煮(筍のようにすくすく成長するように)
和え物・・タコときゅうりの酢の物や白和え
ご飯もの・・赤飯
・・・海老真薯のお澄まし(腰が曲がるほど長生きするように)
お菓子・・草餅(蓬は薬草。健康や長寿を願ったと言われています)

お赤飯に代えて、手巻き寿司やちらし寿司にしても食卓が華やかになるかと思います。
春巻きの皮で兜を折るレシピなどもSNSで人気ですね!
赤ちゃんも離乳食が始まっているなら可愛いレシピがレシピサイトに沢山載っているので思い出作りにいかがでしょうか。

初節句のお祝い会。誰を招待すればいいの?
ママとパパ双方のおじいちゃん、おばあちゃん。そして赤ちゃんのおじさん・おばさんや特に普段から親しい人たちを。
地方によってはより華やかに、お祝いをいただいたご近所の方もお呼びする場合もあります。
ただ、最近はご両家親族の内々でのお祝いが主流です。
赤ちゃんは多くの人に囲まれて長時間過ごすことに慣れていませんし、大々的なお祝い会を行うことでママ・パパが育児と並行しての準備に追われて疲れてしまわないようにとの配慮からあまり大げさには行わなくなってきています。
なお、ベビーシャワーをお友だちが開いてくれたお返しとして初節句に赤ちゃんのお披露目会をするご家庭もあるようです。いつか新しい伝統になるかもしれませんね!
お祝いをいただいた方へのお返しは何をいつ頃までにすればいい?
お祝い会に出席していただいた場合お返しは不要ですが、欠席された方へはなるべく早めに相手方お届けするのがベストかと思います。
お祝い返しの品は昔の定番はお赤飯・お菓子・紅白の角砂糖でしたが、最近は可愛い名入れのスイーツやカタログギフトが人気です。
お返しの額はお祝いにいただいた1/3~半額が目安になります。近しいご親族から高額のお祝いをいただいた場合には1/3よりも少ない金額でもかまいません。ご家族で話し合って予算を決めましょう。
水引は紅白の蝶結び、熨斗つきのかけ紙に「内祝い」「初節句内祝」という表書きが一般的。お祝いをもらった赤ちゃんが贈る物になりますので、水引の下の部分のには名字やご両親の名前ではなく、赤ちゃんの名前を書くようにしてください。
お返しの品物と一緒に赤ちゃんの写真を添えるとなお一層喜ばれるようです。
おばあちゃんの古いお雛様、どうしたらいい?
出来れば飾って。でも駄目なときは人形供養に出しましょう。
お雛様は本来、持ち主が健在な間はずっと雛祭りに飾りつけて災厄除けをしてもらうものです。 ご家族におばあちゃん、ママ、赤ちゃんと女性がいる場合、すべての女性のお雛様を飾る3代飾りが本来の姿です。
ただ、住宅事情などもあってどうしても処分しなければならない場合などは、お雛様の名産地やお寺などで「人形供養」の行事を行っていますので、そちらにお願いしてお焚き上げをしてもらいましょう。

人形供養を行う新潟の寺社
・新潟縣護国神社
・国上寺
・千蔵院
その他セレモニーホール等で催行されております。
子供が独立したので、今ある大きな物をサイズダウンして季節の飾りにしたい
お子様が独立されたのを機にしたサイズダウンご要望のお客様が最近増えてまいりました。
単純に段飾りをやめて親王飾りにしたり、鎧の兜だけを飾れるようにしたりすることも可能ですし、それを飾る台やお屏風・小道具類を改めることで雰囲気を変えて大人らしい季節の飾りとしてお楽しみいただけるようにすることもできます。
昔ながらの金屏風を本総風で色箔のものや金彩の入った屏風に変えたり、新しく平台、雪洞や桜橘など小道具を現代風のもので誂えたりすることも可能です。
また、台を使わずカラー毛氈で飾るなど色々ご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。

試作などを行う場合は2か月~半年ほどお時間かかることがございます。ご了承ください。

お雛様の顔ってどんな種類があるの?また、主流はどんなお雛様?
一般的には、関東風のお顔と京風のお顔。それから木目込人形によく見られる「笹目」のお顔、他におぼこなども。
日本人形が見慣れず怖い…というお客様のお声から生まれた可愛らしくパッチリした目の現代風のお顔も人気です。

衣装着のお雛様
衣装着のお雛様
普段良く目にするのは、実際の着物を着ているように見えるように作られた衣装着のお雛様に使われているお顔ですが、これは主流が二種類あります。
一つは「関東風」と言われる細面にはっきりとした目鼻立ちの現代的なお顔。もう一つは、目が切れ長で細くお公家さん風の上品な顔立ちの「京顔」と言われるものです。
木目込のお雛様
木目込みのお雛様
杢やウレタンの型に筋目を入れて衣装を着せ付けることから「木目込(きめこみ)」とよばれるお雛様は、ふっくらとして味のあるまるっこい顔に目を細い筆で何度も重ねて描く「笹目(ささめ)」または「描き目」で仕上げられていてほんわか可愛らしいお顔立ちが特徴です。
おぼこのお雛様
おぼこのお雛様
「おぼこ顔」と言って、ふくふくとした丸い顔立ちの幼子のような可愛らしいお雛様もあります。衣装着、木目込みともに小さなサイズによく見られます。
頭って何が違うの?たまに見かける「本頭」ってなに?
まず、頭はベースの違いで【木彫頭】と【桐塑頭】と【石膏頭】があります。
木彫頭・・歴史的には最も古く、木から頭の形やお顔の凹凸を彫り出して胡粉で白塗や彩色を施すもの。「正頭」とも呼ばれ、製作が困難なため現在はほぼ使われていません。一刀彫の人形とはまた別物です。
桐塑頭・・江戸中期の岩槻藩の発祥で現在は作り手も少なく非常に貴重。桐粉と正麩と混ぜて練ったものを型で成形し、置上げといって胡粉と膠を硬く練り、目・鼻・口を熟練職人の感覚で盛り上げるため同じお顔が一つとしてないと言われます。ただ、自然素材のため作業時期や環境などに影響を受けやすく、桐粉と胡粉の相性の関係上ひび割れ等が発生する事もあり、表情の安定性の件も相まって現在の石膏頭に主流が移行。「本練頭」とも呼ばれます。
石膏頭・・現代の主流。石膏を型をつかって成形し、胡粉で仕上げるタイプの頭。石膏製といっても型作りから抜き、目切りやお化粧の彩色に至るまで伝統的な手作業で頭師が作りあげるため一つ一つお顔立ちに微妙な差異があります。
さて、「本頭」についてですが…諸説ありますが、かつて大量生産のために海外で粗製濫造された石膏頭や最近では3Dプリンター製の頭があるため、そのようなものとの差別化に頭師が作った石膏頭を「本頭」と呼んでいることが他店様ではあるようです。
弊社ではごく一部の桐塑頭の他、石膏頭は頭師が国内にて製造したもののみを取り扱っているため「本頭」と呼称しておりませんが物としては同じです。
人形店にはそれぞれで独特の呼称・特長の名付けをしているものがございます。御不明点等ありましたら何なりとご相談ください(わからないことも出来る限りお調べします!)。
お店により男雛と女雛の位置が左右逆。正式なのはどっち?
関東と関西の飾りつけの違い関東飾りは、お殿様が向かって左。京風飾りは向かって右に座ります。
お雛様は関東と関西では、お殿様とお姫様の位置が違います。
関西では古来よりの朝廷の儀式に習い、紫宸殿を背にして左が上位とする飾り方をしているので雛壇を背にして左側(向かって右)にお殿様を飾ります。
これに対し関東では、昭和天皇御即位の礼の流派に習い、右に男性が立つスタイルを取り入れ、以来、雛壇を背にして右側(向かって左)にお殿様を飾るようになったとする説があります。別の説によると、東日本でお雛様が上位である左に置かれるのは、徳川家康の孫である興子内親王が後に即位し明星天皇となってから、古事に習い江戸では上位の左に女雛を置くようになったという説もあります。
というわけで、京風のお雛様の場合は、宮廷式にならって、お殿様を向かって右に飾ると良いでしょう。
それ以外の場合は、それぞれのおうちのご出身や家風にあわせてお飾りいただいてよろしいと思います。
小道具をなくしてしまったので単品で買いたい。(単品で○○を買いたいです)
お人形の付属品をお求めの際は、ご来店時に必ずお人形をお持ちください。買い足しで単品をお求めの場合は台の間口と奥行きを測り、親王(男雛と女雛)のお人形をお持ちください。
親王手持ち小道具類(扇・笏・冠・刀)は現行品サイズで対応できる場合は直ぐにご用意できます。店頭にてご用意がないサイズの場合は製造もしくは取り寄せ可能かお調べいたします。
官女の手持ち小道具、五人囃子の楽器類、随身の弓矢、仕丁の手持ち小道具などはその小道具を持つお人形を必ずご持参いただきますようお願いいたします。
段飾りの牛車など道具類は、お持ちの物とはデザインが変わってもよろしければサイズを合わせてお誂えします。
なお、雪洞や菱餅、桜橘などの対で飾るものは一対での販売となりますことご了承ください。
台や屏風をお求めの場合は親王のお人形を対でお持ちいただき、大きさをご相談した上で製造可能かお調べいたします。
単品のお人形は親王とのバランスや台によりお人形の大きさが決まります。現在は親王飾りが主流のため、官女以下のお人形は受注製作となります。

【近年における単品販売例】
・三人官女、五人囃子のお人形
・手持ち小道具類(扇・笏・冠・刀)、(三方・長柄杓・手提げ杓)など ※原則()内セット。サイズによりバラ売り可。
・冠の嬰
・口花(花瓶に挿す花)
・屏風と毛氈
・段飾り台
・こいのぼりをロープと繋ぐ金具 ※メーカーごとに仕様が違うためお手持ちの物を1つお持ちください。
・矢車(鯉のぼりのポールの上で回る風車状のもの)
・着用兜の前立
・名前旗の房 ※左右一対での販売

お人形・兜に不具合が発生してしまいました。修理できますか?
まずは問い合わせフォームやLINEから不具合部分の写真を添付してお問い合わせいただき、状態を拝見させてください。
そのままで修繕が可能なのか、部品交換となるか、修理が不可能かはお写真や現物を見てみない事には申し訳ありませんがお伝え出来ません。
例えば、「毎年出し入れしてたら何となく髪の表面がほつれてきた」や「兜の縅に白カビが発生してしまった」「桜橘が歪んでしまった」というようなお申し出であればしばらくお預かりして整髪やカビの除去、枝ぶりの整容などさせていただきます。
また、「手が折れてしまった」「女雛の裳にシミが出た」「鍬形が曲がった」等の部品交換可能な部位であれば大きさに合わせて交換をします。お人形は頭や手、衣装では女雛の裳・男雛の裾であれば交換にて修理が可能です。
なお、頭は職人が一つずつ手作りしているため、継続品で同じ商品番号の物と交換となっても顔立ちや微妙な肌の色味が変わります。お持ちのお人形の頭が廃盤となっている場合は現行品の中からお選びいただくことになります。

シミやカビなどの不具合が胴体や袖部分だと修繕や交換は基本的にお受けできません。
お雛様の着せ替えのお問い合わせも時折頂戴致しますが、一から作るより手がかかり、後々形が崩れるなど別の大きな不具合が生じる可能性もあって大抵のお人形は新調したほうが安価となります。
どうしても…という場合は、弊社の製造したものに限り、ご相談とさせていただきます。その場合ご購入価格より高額となる可能性を予めご了承ください。

桃の節句なのにお雛様には桜橘が付いているのはなぜ?
桃も桜橘も、どちらも魔除けの花です。
雛祭りは平安時代に古代中国から輸入された習慣である季節の節目に災厄を祓う『五節句』のひとつ、上巳の節句に由来しています。
古来より桃は邪気を祓って薬効が高いとされており、上巳の節句が3月上旬という桃が咲く季節でもあるため「桃の節句」と呼ばれるようになりました。
一方、桜と橘も「魔除け」「邪気払い」「不老長寿」の力があるとされる縁起の良い植物です。
京都御所紫宸殿南庭に対で植えられており、宮中警固などを行う左近衛・右近衛がこの近くに配陣されていたことから「左近の桜・右近の橘」と呼ばれています。宮中の風習を模したお雛様にも魔よけとして飾られるよになりました。
飾る際には「左近の桜が右、右近の橘が左…?」となりますが、紫宸殿の中からの視点(お雛様目線)で右と左と覚えてください。
うちのお雛様、中央の官女に眉がないのですが…
両側は若いお姉さんの官女さん、中央に座るのはベテランの官女さん。
眉無しでいいのです!
最近は三人とも眉があるお人形になっているものが増えていますが、本来のお雛様は中央の官女には眉がありません。
これは両側の立ち官女が若い女性なのに対して、中央の眉のない座り官女は少し年配でお目付け役や指導担当のような立場の人。
古来宮中では年配の女性は眉がないのが上品とされていたため、眉が描かれていないのです。
昔のものでは、既婚者として「お歯黒(歯を黒く塗ってある)」をしたお人形や、京風のお雛様では真ん中の官女だけ振袖ではなく短い袖のものもありました。
立雛は普段飾りと言う人がいます。初節句のお祝い、立雛はだめですか?
立雛はお雛様のルーツなので全く問題ありません!
平安時代のひいな遊びが原型となり、宮廷の女人達が衣装の端切れなどで雛を手作りし始めた頃から作られていたもので、もっとも古い歴史のある人形です。 いわばお雛様のルーツと言っても良い品。古いお雛様で有名な庄内地方でも立雛はたくさん残っています。
立雛は現在は主に木目込や陶器で作られている場合が多いのですが、元々は江戸初期から盛んに雛祭りに飾られた雛人形です。
特に衣装着は立ち姿だと装束や襲目がよく見えるため、シンプルでありながら華やかです。通好みの方や先に座り雛がある際の2つ目のお雛様としても人気ですよ。
神棚みたいな建物付きの昔の雛飾りがあります。これって何?
それは御殿飾りと言います。
御殿飾りとは、京都御所などの宮中の建物を模して作られた飾りのことで、実際に高貴な人々が暮らしていた様を表しています。 名古屋の徳川美術館などにも素晴らしい御殿飾りが残されています。
昭和中期には裕福な一般家庭でも時折飾られていました。
現在では作られる数も極めて少なく、いくつかの種類はありますが出来の良い品は少なくなっていますのでぜひ大切にしてください。
メーカーや専門店スタッフでも若い世代だと写真以外で見たことがないという者もおりますので拝見させていただきたいくらいです…。
男女の子供がいますが、娘が最近こいのぼりに自分がいないと言い出しました…
3匹のこいのぼりをパパ・ママ・お兄ちゃん(弟くん)と考えて寂しくなっちゃったんですね…!
かわいいお嬢様のために、ポールの長さに余裕がある場合は単品こいのぼりを追加はいかがでしょうか。
各メーカーが種類ごとカラーバリエーション豊富に製造しておりますので、お持ちのこいのぼりが分かれば最適なサイズでご案内させていただきます。
よくある単品鯉の色味は緑・オレンジ・紫などですが、最近はピンクのこいのぼりもご用意がある商品が増えてまいりました。ぜひお嬢様のお好きな色でお選びください。
男の子お子様が増えた場合にも青の鯉を増やすのもいいですが、他の色を選んでいただいても賑やかになりますよ。
ポールもスタンドも使わず、家の外にこいのぼり飾りたいです!どうしたらいい?
金具を柵や手すり等に固定していただけるベランダ向けのセットや、2階のベランダから1階のお庭などへ斜めにロープを張ってこいのぼりを飾っていただけるようにしたセットなどもございます。
もっとお手軽に飾るのなら物干し台などの2本の柱の間にロープを渡して横向きに飾っていただくこともできます。
ポールもスタンドも矢車も不要になり、必要なのはロープと鯉だけです。
弊社スタッフ自宅では雨樋とベランダ柵の間にロープを張ってこいのぼりを飾っています。斜めだと風が入りやすいのか、軽い風でもなびいて爽やかですよ。
結構な雨でもベランダなら口金具をスライドして建物側に鯉を寄せてしまえばそのまま出しておけますのでご参考までに…
好きな戦国武将の兜、討ち死にしているから縁起が…と家族に言われます
スタッフよりも大変お詳しい歴史好きなお客様やそのご家族様から毎年必ずご質問があります。
縁起も気になるところではありますが、人柄を表すエピソードや兜のデザインに込められた意図を重視するなど視点を変えるのはいかがでしょうか?
新潟県ご当地武将と共にいくつか有名武将をご紹介します。
◆上杉謙信◆
【人柄・イメージ】
新潟県ゆかりの武将で「軍神」「越後の龍」と呼ばれ、私利私欲よりも義を重んじる人柄が伝えられています。
有名なものでは内陸の甲斐を領国とする宿敵 武田信玄に対して周辺大名が塩の禁輸をした際、謙信はこれに与せず甲斐領民の苦難を救うべく日本海側から塩を送ったという伝説で「敵に塩を送る」ということわざの語源となったエピソード。別説の「便乗値上げを禁じて正価での流通を維持させた」であっても、敵の窮地につけこむようなことはしない真っ直ぐな心根の方であったことが伺えます。
【兜のデザイン】
大河ドラマや出家後の法体頭巾姿のイメージが強いですが、五月人形では日月前立ての兜が主流。
信心深かった謙信は自身を毘沙門天の化身と称していたのが有名ですが、妙見信仰の影響も受けておりその中でも特に月と太陽を信仰していたため日輪と三日月を使ったといわれています。妙見信仰とは北極星を神格化した妙見菩薩に対する信仰のことで、星・月・太陽それぞれ信仰する対象によって派が異なりました。
また、上杉神社所蔵の戦勝神である飯縄権現前立の兜も人気です。

◆直江兼続◆
【人柄・イメージ】
新潟県のもう一人のご当地武将、直江兼続は主君 上杉景勝と民のために生きた上杉家重臣です。秀吉の死後、家康は上杉家に謀反の噂があると厳しく問質して服従を求めました。その際に兼続が送った超長文の反論お手紙が有名な「直江状」です。
主家への忠義を尽くす人柄と知性や教養がある情深いイメージです。
【兜のデザイン】
大河ドラマで一躍有名となった「愛」という漢字をモチーフにした前立てが特徴。
この「愛」は、上杉謙信が戦勝祈願をした愛宕神社が由来しているという説と兼続が信仰していた愛染明王から取ったという説があります。

◆織田信長◆
【人柄・イメージ】
三英傑の一人目。比叡山焼き討ちなど強烈なエピソードもありますが、天下布武を目指したリーダーシップがあって決断力もある潔い人柄で人気です。
先進的な考えや物をどんどん取り入れ、新時代を切り開くように挑んでいく姿は現代でも通じる格好良さ。また、お城で祭りを開催したり気前の良いエピソードも多々残っており、庶民からも好かれていたそうでまさに戦国のカリスマです。
【兜のデザイン】
時代劇などの影響でマントに南蛮胴をイメージする人が多いことから、よく見るデザインでは桃型兜を基にして家紋である木瓜紋と御簾の前立てが特徴に。
木瓜紋は中国・唐の時代に窠文を元として鳥の巣を図案化したもので、巣から小鳥が飛び立つことの子孫繁栄の願いが込められています。また御簾は宮殿や寺院の簾であり神の加護を祈る意味があります。
建勲神社が収蔵している兜にも木瓜紋の前立てがあしらわれています。

◆豊臣秀吉◆
【人柄・イメージ】
三英傑の二人目。農民の生まれから信長に仕えて身をおこし、野戦は苦手でも持ち前の明るさと知恵を駆使してどんどん立身出世し天下人にまで登り詰めた日本史上サクセスストーリーの代名詞のような人。数多のエピソードからも愛嬌がある人たらしで、世渡り上手な人柄が伝わっています。
【兜のデザイン】
有名な「一谷馬蘭後立付兜」は、後頭部に後光が差しているような後立が備え付けられている1刎。この兜は従来の様式に囚われない秀吉の自由奔放さと派手好きな自己顕示欲が大いに表現された天下人の象徴です。
兜鉢は源平合戦の地 一の谷の崖に見立てた形状で、後頭部には馬蘭の葉をモチーフとした29本の後立が特徴。馬蘭は菖蒲の一種で、「勝負」「尚武」と同じ読み方をすることから武将達に好まれました。

◆徳川家康◆
【人柄・イメージ】
三英傑の三人目。長い苦労の時代を過ごした家康は何があっても粘り強く突き進んで最終的に天下を取り、徳川300年の泰平の礎を作ったことから「神君」とも呼ばれます。今も家系が続くことから子孫繁栄のイメージもあります。
秀吉から高価な茶碗を自慢されたときに、家康は「自分は披露できるようなものを持っていないが私のために飛んできてくれる家臣が宝だ」と話したエピソードからも穏やかで人を大切にした人柄がうかがえます。
【兜のデザイン】
大河ドラマなどで若き日に身に着けていた「金陀美具足」が有名ですね。また江戸幕府を開く切欠となった関が原の戦いに持ち込んだと言われる「歯朶具足」は大黒頭巾形兜に繁栄と長寿の対象であるシダの葉をあしらったもので、こちらをイメージした兜も縁起が良いと人気です。
他にも「熊毛植黒糸威具足」や「南蛮胴具足」など様々伝えられています。

◆武田信玄◆
【人柄・イメージ】
「甲斐の虎」と呼ばれた信玄は情報収集力に優れ、さらにはその情報を分析する力にも長けていた戦略家。家臣や領民を大切にしており、周囲の人から信頼が厚かったとされています。
病で亡くなったとされる武田信玄は自分が死んだとなれば敵の士気も高まり、まだ若い息子の指揮では厳しい戦いになると考え「自分が死んだことを隠せ」と言ったといわれています。戦上手で死の間際まで後々の事を冷静に見通していたのです。
【兜のデザイン】
錦絵姿や大河ドラマから真っ赤な鎧と白い毛の付いた兜で軍配を持つ姿のイメージが強い信玄。前立てに金の角をもつ獅噛をあしらい、兜の鉢にはフサフサの白毛が施されている有名な「諏訪法性兜」が人気です。

◆伊達正宗◆
【人柄・イメージ】
奥州の覇者「独眼竜」の名と苛烈なエピソードも伝わる豪快さ、その一方で聡明かつ律儀な性格を持ち合わせ、「伊達男」という言葉からも機知に富んだ格好良さでスマートなイメージ。政宗は自ら台所に立ち、客人に手料理を振舞っていたと言われます。料理に関して「馳走とは旬の品をさりげなく出し、主人自ら調理してもてなす事である。」という意識が高い名言も残しています。
【兜のデザイン】
大きな三日月をモチーフにしたの前立が特徴。政宗も妙見信仰の影響を受けており、月の中でも三日月を選んだのはシルエットの好みと戦時に刀の邪魔にならないためだと言われています。
そんなこだわりもまさに伊達男です。

◆真田幸村◆
本名の真田信繁よりも幸村という名が有名な「日本一の兵」。義理を通して主家に殉じ、大坂の役での勇敢な活躍と悲劇的な状況から決して逃げることなく自らの運命を最後まで全うした華々しい最期が英雄として庶民の間に浸透し、今なお高い人気を誇っています。柔和で辛抱強く、普段は物静かで怒ることはめったになかったと伝えられています。
【兜のデザイン】
鹿の角の鍬形と六文銭の前立が特徴的です。鹿は険しい山道も颯爽と駆け抜ける姿が神秘的な力を持つように見え、古くから神使として大切にされていました。また、六文銭は死後の平安を祈って「三途の川の渡し賃」として棺に六銭投げ込む慣習から生まれたもの。
鹿の角で神の加護を願いつつ、六文銭で戦と死に対する覚悟を表したのでしょう。

兜台や名札に家紋を入れたいけど、うちの家紋が分かりません。どうしたらいいでしょう?
最近は家紋を使う場面が薄れているため多々あることです…。家紋は名字とセットのような関係ですが、家に複数の家紋が伝わっていることも珍しくない上に、戸籍などと違って登録がないため役所などでは辿れないのが困りものです。
パパママ世代においては結婚時に選択した側の名字のルーツから家紋を継ぐことになります。
探し方で代表的なものを挙げます。
1.両親や親戚に聞く
聞ければ一番早いですね!!
もしご両親で分からなくても、名字を引き継いでいる家系を遡って祖父母やその兄弟など年配の方に聞けばほぼ確実です。
2.実家や祖父母宅を捜索
仏壇上部や開いたところの下側中央に家紋が入っていることがあります。礼服の羽織袴、お盆の時に見かけるお迎え提灯、冠婚葬祭で使った大きな風呂敷などに家紋が入ってることも多いです。ただ、女性の着物は嫁入り道具として持ち込まれた場合には嫁ぎ元である実家の紋が入っている可能性が高いため注意が必要です。
もしお蔵があれば出入口や屋根の鬼瓦にあしらいがあるかもしれません。
3.引き継いでいる名字側のお墓を調べる
墓石やその周辺に家紋を刻印することはとても一般的。特に寺院の墓所にあるお墓なら大半にあるかと思います。墓石本体に見当たらない場合はろうそく立てや香炉、花立を見てみてください。

家紋が確認できた場合は必ず写真も撮っておきましょう。家紋は微妙な違いがあるので画像で残しておくのが一番確実な方法です。画像検索などで名前も調べておきます。よほど珍しいものでない限り「丸に片喰」「違い鷹の羽」等の紋様を表す名前がついているので、知っておくと誰かに伝えるときに役立ちます。
なお、手を尽くしたけれどどうしても家紋がわからなければご自身の代から家紋を定めてしまうという方法もあります。

見るほどに悩んでどうやって良いものを選べばいいか分かりません!!
節句人形はお好みもさることながら、デザイン・サイズ・価格など本当に幅広く、一度お求めになった後にまず買い替えるものではないため99.9%のお客様が大変お悩みです!!
皆さまいろいろなお店を回ったり、何度も足を運んでいただいたりしてお選びになられます。
そのお手伝いをさせていただくのが我々人形店のスタッフですが、一番大切にしていただきたいのは贈るお客様自身で見初めたお人形や五月飾りであることだと思っています。
素材や細部のこだわり、作家である人形師はもちろん品質の保証につながる物で比較する際の重要なファクターとなりえます。
また、スタッフによる専門知識に基づく説明を受けることで、知らなかった歴史的背景や素材や製法の良さを知ったり、文様や絵柄にとても良い云われや縁起が隠されていたり、最初は怖かった頭に得も言われぬ味わいを感じるという価値観や好みの変化も多々あることです。
でも、『良いもの』とは何でしょう?
赤ちゃんの健やかな成長を祈り、厄をよけてくれるように身代わりとするお守りであり、「家族皆があなたの誕生を心待ちにしていたよ。これからも元気に育つことを願っているよ」という大切な思いを言葉だけではなく形に表したものであることが節句人形の存在意義です。
サイズや価格、飾る手間などに目がいきがちかもしれませんが【大切な赤ちゃんのお守りであり、ご家族の心の具現化であり、笑顔と幸せの中で末永くお飾りいただけるもの】という点も是非お選びいただく際のポイントに置いていただければ幸いです。
まずはお店をぐるっと回って心惹かれる節句人形をさがして、その後から気になる点の説明やセット組み換えなどで専門スタッフをご活用いただくのがよろしいかと思います。
当店でもご入店時にまずお声がけをいたしますがゆっくりご覧になりたいなど接客がご不要な際はお気軽にお申し付けください。
必要な際には喜んでお手伝いやご説明させていただきます。
価格の差などはどう決まっている?
所謂「品質」と言われるものが価格に反映されます。
低価格帯商品であっても品質基準を最低限度満たすよう厳選していますが、価格設定において指標となるのは大きく5つの要素です。
1.素材や製法
2.製作者の技術
3.美術的・工芸的な観点
4.希少性や歴史的な価値
5.消費者の求めるもの
1~4を単純化すると《高》伝統的な自然由来の素材や高級材を使用し国内で伝統工芸士など熟練職人が各々の技術の粋を尽くして手作業で作るもの、《低》外国での加工など安価な素材を使い工業製品化され大量製造するものが使用されているかという感じでしょうか。
例えば、【総理大臣賞などを受賞した著名作家が小石丸(蚕の日本在来種の一つで皇后御親蚕に用いられる品種。非常に細く上質の糸を産するが繭糸量が少ないため経済性にかけ「幻の絹」と呼ばれる)の正絹に京友禅・手刺繍を施した生地を使って独自の手法で着付た人形に本金箔の本総屏風や伝統工芸の塗台、道具を添えた一点物の桐塑頭雛人形】などはどこであっても高価格になると思います。
ただ、これらは大きな要素ですが、必ずしもこれだけで決まる物ではありません。
上記5の消費者の求めるものという点も関わってきます。
どんなに高品質であっても、現実的な観点として現在の住宅事情に対し著しく大きい段飾りなどは需要が低くなるものです。お客さまや時代のニーズに沿っているかという点も大きな要素になります。
また、百貨店や有名店など販売ブランド力、店舗の維持費や接客スタッフの人件費、問屋の介在・仕入れ品の数量価格差、物流も違いの出るところになるでしょう。
昨今は社会全体に物価高が押し寄せているため大変世知辛いことで…メーカーであり、直販店運営をする弊社としても出来る限り安定した価格に抑えるよう日々努力をしております。
資料請求はこちら